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山日記
1999年 11/13(土) 恵那山
越谷4:20=首都高三郷IC=中央道飯田IC=園原IC 8:30=中津川IC=神坂峠9:40/10:05−鳥坂峠10:50−大判山11:30/11:40−1820mP12:15−1972mP12:50−分岐点13:25/13:35−恵那山頂上13:55−避難小屋14:00/14:50−分岐点15:05−大判山16:05/16:20−鳥坂峠16:50−神坂峠17:30=中央道中津川IC=越谷22:30

 前週の土曜日に予定していた山行であったが、その時は中央道の相模湖ICでUターンして引き返してしまった。その二日前から少し風邪気味で、車で走っているうちに自覚症状を感じ、高速道で4時間近くの遠方では無理があると思い切ったが、結果的に土日を寝て過ごす事になったので英断であった。そのご褒美が本日の山行であったと思う。前日夜半までの雨が積雪になっていたらと心配だったが杞憂であった。素晴らしい天気であったし、愛知県、静岡県にも近い緯度の低い地域のせいか、この時期の2000mを超す山とは思えぬほど温暖であった。2週間前に積雪の事などまるで頭に無くて、スパッツさえ持たずに行った高妻山は頂上付近が霧氷で真っ白であったし、そこから見た頚城の山々はしっかり冠雪していたので心配し過ぎたようだ。
中央道飯田ICの手前で、園原ICがこちらからは出る事ができないとの案内を見て、迷った末に飯田ICで降りて国道を走る。しかし、東側から神坂峠へと登る目論見は、がけ崩れのための通行止めで敢え無く頓挫する。慌てて園原ICから中津川ICへと向かいながら自分の判断ミスにうんざり。中津川ICからは小1時間も戻らねばならず、神坂峠に着いたのは10時近かった。峠(実際の神坂峠は別の場所らしい)にはもう車が10台ほど止まっていて、何とかスペースを見つけて準備にかかる。いつもの山行には昭文社のエアリアマップにお世話になっているが、今回は2万5千図と足立さんという方の開いている恵那山のWebにあった概念図が頼りだ。足立さんのコースタイムによると3時間で登れるはずで、そうならばまだ余裕がある。結局そのコースタイムは足立さんの健脚を示すもので私のような一般人にはかなわぬものであると認識したときは少し焦ったものだ。だが、このWeb上にあった概念図などの情報は非常に役に立った。登山口から5分も登ったところですごい展望なのに気付いた。南アがすべてくっきりと並んで見える。西側から南アが連なった形で見ることができたのは初めてと思う。20年程前に宝剣岳に登った事はあるが、その時の展望の記憶はない。同定が正確とは思えないが鋸岳、甲斐駒から光岳まで、見事な展望である。目を登ってきた方向の北側に転ずれば中央アルプスが大きく見え、特に空木岳の山容は偉大だ。西側には御岳、乗鞍が圧倒的に大きい。もう少し登ったら、北アの槍穂高や白山まできれいに見える。良く見れば槍の向こうに笠ヶ岳や他の峰まで見えるが同定はできない。今日は天気予報通りの快晴で、山にかかる雲もほとんどない。これだけの展望は何年ぶりかもわからないくらいだ。 枯れ木のピークまでは気持ちの良い笹原の登りだった。ここから辿るべきルートの全容が見渡せる。一旦、峠までかなり下り、そこから徐々に高度を上げて、どこがそうか定かではない山頂のある稜線へと尾根が続いている。ピークが顕著でないだけに恵那山の山容は堂々とした広がりを見せている。
 鳥越峠から東側の巻道を辿ると西側が姥ナギというスケールの大きく険しいガレ場になっている。林道が作られている笹と潅木の東側とは対照的である。大判山を過ぎてから1972mピークまでは長く、思ったより時間がかかり疲れた。稜線まであと200m程というところで急斜面になり、原生林と呼ばれている、名前通り鬱蒼とした苔にまみれた雰囲気の良い森の中をひたすら登る。分岐点と呼ばれる稜線に着いても樹々の背は高く展望がほとんどない。ほぼ平らな稜線を行くと避難小屋があり、大勢の人々で賑やかであった。そこを通り過ぎて少しで山頂に着いた。平らでピークらしくなく、展望も良くない上に少し風がある。さすがに寒いので避難小屋まで戻り、ちょっと登った風を避けられ展望も利く岩場で腰を下ろす。南アの峰々はまだほとんど雲に隠れていない。南アの向こうには八ヶ岳まで望める。双眼鏡を持ってくるべきであった。ここに1時間近くも居座ったが、さすがに時間が心配になったので未練は残るが下山に取り掛かる。
下りはペースも上がり順調だったが、それにしても長く単調な道のりで疲れた。大判山で最後と思い展望を堪能する。やっと着いた鳥越峠からは薄暗くなってきて、枯れ木のピークへ登る途中でヘッドランプを出さざるを得なくなるほど暗くなったが、なんとヘッドランプの灯かりが点かない。電池はまだ十分にあるはずだったが、おそらく、ザックに出し入れしても長く使わずにいた間にスイッチが入ったままになっていたのだろう。幸い月明かりがあるし、釣りでイブニングライズを狙っている事を思えば何てことはないだろうと気を取り直して慎重に進む。枯れ木のピークを過ぎると3〜4人の先行者に追いつく。先を譲られたが訳を話して最後尾に付かせてもらった。気が付くと西側の空が山並みを包んでオレンジ色に染まり、闇が濃くなるほどに赤色が濃くなって、素晴らしい夕空になっていった。振り返れば恵那山の黒々とした広大なシルエットの上のまだ青々とした夜空にくっきりと上弦の月が輝いていた。