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越後駒八海山

 2002年10月12日   守門岳
連休に仲間と越後駒と八海山をやるので、その先乗りをし、前から気になっていた守門岳をやっつけることにした。大宮から新幹線で長岡へ。駅から少し歩いたところにあるジャパレンでレンタカーを借り、守門岳へ向かう。道路は標識を三条市方面から守門方面へと辿って行けば迷うこともなかった。二口登山口への入口を通り過ぎてしまったがロスはそれほどなく、ほぼ予定通りに二口登山口駐車場へ着く。意外にたくさんの車が止まっていて驚く。地元には親しまれている山の一つなのであろうし、紅葉の盛期でもある。見上げれば谷の向こうになだらかな稜線が見えていて、茶褐色に色づいている。守門のピークなのかどうかは見当が付かない。もう10時半を過ぎていて最も遅い出発であるらしく他に登山客は見えない。登山カードを提出して道を右へ取り5分も行かないうちに山道に入る。
 いきなり急登であった。登山道への「いたずら書き」を非難する看板が立ててあり、あとでわかったが、朱色のペイントで木の幹や岩に大きく乱雑な文字で「中高年がんばれ」などと何箇所かに書いてあった。まったく「落書き」以外の何物でもない。書いた本人(達)には解せぬことなのであろうが、要は人間の程度(レベル)の問題なのだと思う。ほかの山でもよくあるのが「ごみを捨てるな」「きれいな山を守ろう」などの看板標識が山道に延々と据えられていて「○○学校」「○○の会」などと明記してあるのをよく見かける。笑止である。ただの売名行為でありそれ自体が「ゴミ」であることがわからないという、程度の悪さを感ずる。学校であれば、そのように指導するのが教育者であろうとは情けなくなる。
 急な登りも長くは続かず、素晴らしいブナの森の中をゆったりと進む。護人清水があり、夏ならばたっぷり一汗書いた後の休憩地点には理想的な場所にある。水の味も悪くない。


二口駐車場のそばに
ある登山者カード箱


ブナの森

護人清水

2合目

ダイモンジソウ
尾根に取り付き、だらだらの道を進むと地図上標高892mの独標に着く。一気に視界が開け、大岳と守門岳が堂々と並んでいる。四等三角点があり、四等の割に立派な柱石の測量標がある。ほぼ平坦に続く道をさらに行くと標高1000m地点と書かれた大きな看板もありオカバミ滝という滝見台になっているようだ。谷を見ると確かに滝が見える。遠くて小さくしか見えないが周辺の景色とあいまって絵になる美しい滝である。ここからすぐのところでいきなり急登となる。登り口に「長く苦しい登りです」と書いてある。確かに1時間半ほどの辛抱の登りであった。樹木の丈がだんだん低くなり、右側が開けたところに出ると、色づいた山肌が間近に望める。まもなく大岳の分岐点に着く。北側の山並みが望め、飯豊と思われる稜線が遥かにあり、その手前越後の山々はよく知らないので同定できない。

標高892mの独標

守門岳の方向

オカバミ滝

守門岳の方向
青雲岳

分岐から大岳
分岐から右の守門岳へと向かう。ここに到るまで他の登山客とは数人しか出会わなかったが、この分岐からは擦れ違う人も多くなる。大岳の方で大勢の歌声が聞こえる。鐘があるのか、撞く音も遠く聞こえる。

浅草岳

飯豊方面

守門岳

浅草岳
守門岳は北側が切り落とされたような急勾配で、南側はなだらかになっている。その縁を伝うように緩い登りとなって道は続いている。ところどころに木道があり、食べ物をたくさん広げて憩っているグループがそこかしこにいる。山頂はやはり広くゆったりしている。鐘があり、山頂に着く人は皆一度は鳴らしている。冬山の非常用であるが、鐘があると撞きたくなるのが人の常らしい。晴れてはいるが遠くは雲が上がっていて飯豊も見えなくなり、この時間では霞が強くなってあまり展望がいいとはいえない。指呼の間に浅草岳がすばらしい山容を見せている。明日登る魚沼駒ケ岳がやはり大きく八海山は同定するのがやっとである。山頂でしばらく粘ったが遠くの山々はなかなか姿を現さず、明日に期待して下山の途につく。

袴腰

飯豊方面
 

守門岳山頂

守門岳から大岳方面
分岐から大岳に向かう。かなり下っていてうんざりするが、大岳まではさほどの時間はかからなかった。大岳山頂にはやはり鐘が取り付けてあった。守門岳ほど広くはなく、樹木が周りにあって見晴らしも良くないし、人が多かったので通過した。この季節でさほど汗も掻いていないのに喉が渇き飲み水が乏しくなっていたが、下りにあるはずの水場が良くわからず、次の水場まで心細かった。グループが休憩していたところが天狗清水という水場だったのだろうと思う。道は階段が延々と作られてよく整備されている。このコースの方がメジャーなのかもしれないが土砂が流れやすく道が荒れやすい土質なのかもしれない。キビタキ小屋への道が分かれている。寄ってみようと思ったが、レンタカーの時間が押しているので省略する。キビタキ小屋への登りの分岐のところで1本立て、残り少ない水を飲み干してしまうが、そこからほんの僅かのところにキビタキ清水があったので、そこでも休憩をしてしまう。

大岳から守門岳

キビタキ清水
下りも追い越したり追い越されたりする人はほとんどなくて一人旅に近かったが、  保久礼小屋に着くと数組の人が休んでいて賑やかになった。保久礼小屋は古びてはいるがコンクリート製で頑丈そうだ。ここから二口の駐車場へと向かうが、先行者に釣られて車が通れそうな広い道を行きそうになり、気づいて道標を良く見ると脇にある薄暗い森へと続く山道がそうであった。そちらへ向かうのは私一人らしく駐車場へ着くまで誰にも会わなかった。2.5万地図上の林道はさらに延長されていて沢の堰堤工事をしている。堰堤はその下流にもたくさんあり、それほど大きな川でもないが、本当にここまで必要なのだろうか、疑問である。林道をおっちらこっちら歩いて駐車場に着く。

レンタカーの契約時間は疾うに過ぎているが連絡しようとしばらく走っても携帯が繋がらない。1時間ほど遅れたが結局追加料金は取られなかった。長岡駅前のダイエーで夕食を買って六日町へと電車に乗る。車内は空いていて、缶ビールと買ってきた惣菜で夕食にしたが、全部食べ終わらぬうちに六日町へ着いてしまった。駅から今日の宿、湯元館へ歩いて行く。前原山行会の仲間が来るまでたっぷりと時間があったので一人きりで“あずましい”温泉にゆっくり浸かり、余った惣菜を肴に酒を飲み、至福の時を過ごす。そうしているうちに、実は宿の人から部屋の鍵を預かり、去年泊まった大部屋だと思い込んで部屋の名前も確かめずに荷を解いで寛いでいたのだが、どかどかと他の人が入り込んできたので部屋間違いに気付き、大慌てで部屋を移ることになった。大チョンボのお蔭で、仲間をゆっくり出迎えるはずがバタバタとしているうちに皆着いてしまい、すっかり信用をなくしてしまった。