2003.06.29  大菩薩嶺 2056.9m

自宅3:00=首都高/中央道勝沼IC=塩山/裂石=丸川峠分岐駐車場(1030m)5:45―仙石茶屋5:55―(R0:10)―上白川峠7:35/7:40―福ちゃん荘8:20―富士見新道入口8:25―賽の河原9:10―富士見新道分岐9:20―唐松尾根の頭(昼食)9:30/9:45―大菩薩嶺9:55―丸川峠11:00―丸川峠分岐駐車場12:05=自宅14:30


 30年前、「大菩薩峠に林道が出来る前に登っておこう」というリーダー”U氏”の提案で丹波から大菩薩峠に登り、そのまま南の石丸峠から牛奥ノ雁腹摺に向かったと記憶している。だから大菩薩嶺には登っていない。熊沢山か石丸峠あたりで昼食のとき大菩薩嶺方向を望みながら、「ここに林道が通るのか」と釈然としない思いをした覚えがわずかにある。今年の9月には深田百名山を完登する予定でいるし、ピークに登ってないのはなんとなく気持ちがすっきりしないところへ、2週間後に北アの縦走を控えているので足慣らし、体調の確認をする意味でちょうど良かった。
 前日は会社のパーティで遅くなり、睡眠不足に加えて酒が残っているような体調で中央道を走り抜けた。丸川峠分岐の駐車場は5〜6台しか駐車するスペースはないが、私で2台目だった。大菩薩峠方面へ向かって林道の横の山道を行くとすぐに林道と一緒になり、案内板があって橋を渡る。仙石茶屋と書いてあるが廃屋となっている。さらに林道を進むとまた山道が分かれていて、ここからは静かな山歩きとなる。駐車場で一人会ったきりで追い越す人も追い越される人も誰も居ない。天気はまずまず持ちそうである。鳥が多くて立ち止まるのが頻繁だから休憩もほとんど取らない。アオバトの気だるくのどかな鳴き声が遠くから聞こえる。道は砂状の土のせいもあるだろうが、ところどころ深くえぐれていて、ずいぶん昔から長く歩かれてきた道のようで趣があり気持ちが良い。
 


上日川峠
右が駐車場、
左へ大菩薩峠






長兵衛小屋   
上日川峠に出ると車は多いし、人も多く騒がしくなった。長兵衛小屋は大きなロッジである。ここまで車で来て登る人が多いようで駐車中の車が多いし駐車場も広いようだ。ここから峠への途中まで車で行けるみたいで、家族連れが車道を先に歩いていくが、私はそのすぐそばを通る山道を行く。車道のほうが平らでまっすぐだから家族連れはすぐに見えなくなったが、山道はわずかながらも起伏がありくねくねとしているから遅くなる。しかし道が柔らかいし疎林の笹原の道は感じがいい。まもなく福ちゃん荘に着く。ここから唐松尾根を行くのが大菩薩嶺までの最短コースだが、右の峠へ向かう道を選ぶ。すぐ富士見小屋へ着き、ここから林道を歩くのが嫌だから富士見新道という山道に入っていく。この道もマイナーなせいか一人として会わない静かな良い道だ。途中で賽の河原に出る道のほうを選んで進む。サラサドウダンの樹が非常に多く、咲き終わって落下した鐘形の花房が椿の花のようにコンプリートのまま地面に落ちている。標高が1900mに近くなると森林限界の様相を見せ始め、樹木が途切れて笹原になったところにヤマツツジが、遠くの峰にもこちらの斜面にも固まって見事に咲き誇ってきれいだ。

福ちゃん荘

富士見小屋
あいにく富士山は見えず

稜線に近づく

ヤマツツジが満開

キンポウゲと?

サラサドウダン

ナナカマド

賽の河原
稜線に到着

サラサドウダンは
とても多かった


 賽の河原に出るとそこからの稜線歩きはさすがに人が多くなった。天気は上々になってきたが、雲が高く上がっていて残念ながら南アルプスも富士山も見えない。風は強くもなく弱くもなく、日差しもきつくはなくて暑くも寒くもない、清清しい空気でとても気分が良い。
 唐松尾根の頭で軽い昼食にする。ここで休んでいる登山者は5〜6組20人ほど。ここを出ると10分も経たずに大菩薩嶺に着いた。深田百名山97個目ということになる。気になるから百名山は早く終わらせて、今秋から思いつく山をゆったりと登りたいものだと思う。


大菩薩峠方面

上白川ダム



大菩薩嶺


 下りは丸川峠へ向かって長い道をだらだらと行く。ルリビタキがとても多く、口笛で呼び寄せて見たが木の間隔が広くて隠れにくいのでそばに近づいてこない。丸川峠に出るとまさに別天地のようで、明るくて花も多く、ちいさな湿原でもあるみたいだ。ここからは睡眠不足が効いているのか、足腰も調子が出ずパワーが出てこない感じだった。北アのことが少し気になる。駐車場には正午近くに着き、復路の中央道もなんなくすいすい走れて楽だった。


丸川峠





※鳴き声を聞いた鳥 : アオバト、コルリ(仙石茶屋から上日川峠までに多い)、トラツムギ、ホトトギス、ウグイス、ツツドリ、アカハラ、ルリビタキ(大菩薩嶺から丸川峠までに非常に多い)、コマドリ、カケス、ヤマガラ、シジュウカラ、コガラ(巣があったのか、ツガイで1mくらいまで羽ばたいて近づき威嚇してきた)
※丸川峠からの下りでは春ゼミ、ヒグラシの鳴き声ががとても多く騒がしくて鳥の声を聞くどころではなかった。