烏帽子岳2726m、小河内岳2802m
2007/9/29〜30

9/29 鳥倉林道終点(8:55)〜三伏峠(12:25)〜烏帽子岳(13:25)〜小河内岳(15:00)  小河内岳避難小屋泊

 天気が思わしくない。一昨日の天気予報では晴れマークも出ていたのに、朝から雨である。OB会の仕事を放り出してまで来たから何とか好転しないかと願う。ここ4週、崩れそうな天気を回復させてきた晴れ男の力もこれまでのようだ。このコースは初めてで、カーナビの入力違いから釜沢の林道終点まで行ってしまい、1時間近くのロスタイムとなった。こんな天気でも駐車場には7〜8台の車、バスまで駐車していた。ほとんどが塩見目当てだろう。鳥倉林道終点から合羽を下だけ履いて傘をさして林道を歩く。稜線に取り付いてから巻き道となっているが、私の持っている地図は稜線上にある。昭文社の地図も古いものなので少しずつ違っていた。荷物が普段より重いので三伏峠までが長かった。傘は烏帽子岳手前までは有効だったが、それ以降は風が強くてやめた。登り始めが遅かったからすれ違う人が数人だけで烏帽子岳からは誰にも会わない。静かな山歩きと言いたいところだが、すっかり雲の中で何も見えず、稜線に出ると風雨が強く、気が滅入る。でも半分は風下の巻き道だから助かる。目の前の山塊を越えるとまた次が見えるという具合で、目標がまったく見えず、ただ黙々と歩くだけだ。それでも独標2784(前小河内岳)に着くとほっとする。あと30分はあると思い休憩したが、歩き始めてすぐにガスの中に小屋らしきものが見えてやれやれだった。小河内岳で写真を撮って、すぐそばの避難小屋に入る。まだ新しくきれいな小屋だが、冬季の準備のため窓が釘付けになっており暗い。誰もいないが、これから誰か来るのを待つ気持ちと来ないのを願う気持ちと半々だ。朝から握り飯2個だけだったから、ピラフを作ってビールを飲む。小屋の中でも10度以下になっていて寒い。4時前になって「まさか」と思って小屋を出ると、素晴らしい景色が広がっていた。富士山から荒川岳、赤石も聖も見える。振り返ると今日来た稜線がずっと見えてその向こうに塩見、その左に甲斐駒から仙丈、その左、ずっと奥には槍穂から後立山が全部見えていた。しかもうれしいことに塩見岳と蝙蝠岳の間に、あと数日で行くことになる白根山嶺の一部が、おそらく白河内岳、広河内岳が見えている。1時間前からすると奇跡的な神がかりな情景だった。これで今日のすべてが報われる。


烏帽子岳

小河内岳

富士山が神々しい

左に塩見、右に蝙蝠
真ん中に白根南嶺

荒川岳


遠いが槍穂から後立山


右から塩見岳、遠くに北岳、
甲斐駒、仙丈岳が美しい
手前には左に烏帽子岳、
右の大きいのが独標の前小河内岳

きれいな小河地避難小屋




左から悪沢岳、中岳の荒川岳、千枚岳はこの位置では見えない?
その右に)赤石岳(小赤石?)、聖岳、兎岳や大沢岳(未踏TT)

9/30 小河内岳(6:10)〜烏帽子岳(7:15)〜三伏峠(7:45)〜鳥倉林道終点(9:50)
 結局避難小屋はひとりで過ごした。ヘッドランプだけなので7時には寝たが、夜中に目を覚ますとひどい風雨のようで恐ろしい音だった。夜明けまでまだずいぶんあったが、寝るのにも体力が必要なようで、寝ているだけで体が痛くてまいる。
 5時前に起き出して外を見てみるが、昨晩のあの雄大な景色がうそのように真っ白、雨交じりの強風である。気を入れなおして出発。昨日の5割り増しのひどさだ。雷鳥が何組も出てきて、なかなか道を譲らないので何度も立ち休憩モード。黙々と道を進むが雨はひどくなるだけ。結局あの日暮れまでの夕刻のひと時だけが宝となった。