鋸岳 2685m
2007/9/1〜2
標高100名山を目標にしてから、この山は、西からは長いし、東からは危険だし、角兵衛沢からの天幕1泊しかないだろうと思っていた。幕営場は大岩下の岩小屋 ―小屋という名が付けども岩の下で狭く、他に誰もいないかもしれない― こんなところで一人では身の毛もよだつ一夜をすごさねばならないので相棒として兄を引っ張り出した。
前日まで天気予報がよくないので一旦中止にしたが、前日昼頃に回復してきたので一転決行となった。コース決めは私が持っていた昭文社の古い地図とインターネット頼りだが、地図は山を降りてから兄に渡してしまったのに気づき、翌々週のために新しく買い求めたところ、コースタイムも短くなっているし、より詳しくなっていたのがわかった。普通ならば戸台の駐車場から戸台川沿いに歩くべきところを、単に歩行時間が短いという理由で、車を仙流荘においてバスで歌宿まで入り、丹渓山荘跡から廻ってしまった。これが災いして、かなりくたびれる結果となった。
角兵衛沢入口から赤布に頼って登り続ける。暗い原生林は他に人気がなくて一人だとちょっと不安になるだろう。標高2050m付近から森を抜けてナギ、ガレの連続になる。歩きにくく、足の負担が大きい。それでも大岩がずっと見えていたので目標となった。帰途にわかったが、大岩から下はずっと森の中に道があり、こんな苦労はせずとも良かった。
岩小屋下のサイトは、岩の落下の恐怖さえなければ意外に快適で、水も岩清水でちょろちょろだが、数分でペットボトルが満たされ、冷たく美味である。かなり早く着いたので酒が足りなくなって困った。単独行者が一人来て、やはり一人の夜が不安だったが信州100名山の99山目だからと話していた。
角兵衛沢入口 |
森を抜けて 2050m付近 |
こういう登りの連続になる |
大岩の下の岩小屋 |
タカネビランジ この山には多く群生していた |
翌朝、ナギ、ガレの連続する踏み跡を辿って峠を目指す。峠からは雲の中に入っているから山頂に至っても展望はほとんど何もない状態だった。下りでガスがとれると高度感がある。岩小屋に帰って天幕を撤収し、そこからはずっと森の中の道で歩きやすかった。今回は過去に単株を数回しか見たことのなかったタカネビランジの群生が見られ、トウヤクリンドウ、イワインチンと初めての花と出会って収穫だった(今までは同定できずに通り過ぎたのかもしれないが)。
岩小屋から |
タカネビランジの 群生があちこちにある |
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草や木のあるところの 道はほっとする |
雲の中で展望がない |
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ガスが晴れると高度感がある |
登ってくる集団があった 角兵衛沢入口で幕営したようだ |
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イワインチン |
ハリブキの真っ赤な実が 鮮やか! |
トウヤクリンドウ 花が開いていないのが残念 |