山梨百名山
 鶏冠山2115m(55) 破風山2318m(56) 雁坂嶺2289m(57)
2009/9/5〜6

9/5  北越谷2:30―蒟蒻屋駐車場5:00/5:40―(ナレイ沢WC休憩10分)―出合、鶏冠沢登山口6:30/6:40―
    (休憩10分)―第一岩峰迂回終点鞍部8:25(8:35〜9:05鞍部西側岩峰登攀)―第二岩峰取付9:20―(休憩    10分)―第三岩峰・鶏冠山10:10/10:30―(休憩30分)―木賊山13:35― 甲武信小屋13:45
9/6  甲武信小屋4:35―サイノ河原4:50―(休憩10分)―西破風山6:25/6:50―雁坂嶺8:00/8:05雁坂峠  
    8:20/8:30―ナメラ沢入口 9:40/9:50―蒟蒻屋駐車場10:50/11:00―北越谷13:30

 
9/5 車で勝沼ICから西沢渓谷入口に着き、道の駅・市営駐車場の隣にあった蒟蒻屋の無料駐車場に駐める。コンビニの弁当で朝食。西沢渓谷に向けて歩き出す。途中ナレイ沢の公衆便所でオヤキジ。二俣吊橋を渡ってわずかに登ったところにある入山警告立札から入って、東沢の巻き道を進むと鶏冠谷の出合に出る。探したが山靴のままで岩を飛び渡る場所は無かった。持ってきたサンダルに履きなおして渡渉。鶏冠谷を遡ってすぐに鶏冠沢登山口があった。道はしっかりしているが、稜線に出るまで斜面はきつく、ふくらはぎが突っ張る登りが多い。
 踏み跡がはっきりしないところもあるが、赤テープが多く迷うこともない。第一岩峰を左に迂回し、岩や倒木で埋め尽くされたルンゼを登って鞍部に着く。第二岩峰はまだかと思いつつ登ってきたので、ここで左手に立ちはだかる絶壁がそうかと思い、唖然とする。インターネット情報では、ほとんどの人が問題なく登っているとのことだから、ここで退くわけには行かないと思い、チャレンジする。岩肌に生えている頼りなさげな木を手がかりにやっと頂上へ着いた。しかし、ここから先へ進もうにも急に落ち込んだ崖になっている。山々を見渡し、コンパスを出して間違っていることに気づいた。下りは危険度が倍増することは予想できたので、タバコをゆっくり吸ってざわつく胸を落ち着かせる。細引きを捨て縄にする準備もしたが、意外と問題なく降りられた。だが、30分のロスである。鞍部から反対側のすぐ目の前に赤テープがある。馬齢を加えてきても、こういう、せっかちさや勘違い、強引なところが自分には多い。反省頻り。
 この30分の影響はひどく手強かった。足に力が入らなくなり、たいして時間もたっていないの、ここまでの体の力がはっきりと落ちていて、バテの兆候になっているのを自覚する。第二岩峰は高度感はあったが確かに問題なく登れた。でもスピードとパワーは格段に下がった。第三岩峰を右に回り込むようにかなり下り、登り返して稜線に出て、稜線を少し戻って鶏冠山山頂に着く。まだ快晴だが、甲武信岳の稜線に雲がかかってきた。遠望はきかず、富士山は見えない。間違って登った岩峰がひょっこり飛び出して聳えているのが見え、登り面以外は絶壁であった。ぞーっとする。
 目指す木賊山は鶏冠尾根の幾つものピークで見えにくいが、はるか遠くに感じる。思えば、東沢に入ってからひとりの登山者にも行き会わないし、その気配はない。まさか木賊山から下ってくる人もいないだろう。踏み跡ははっきりしているし赤テープも豊富だから進むのに不安はない。石楠花が異常に多い尾根で、倒木もかなり多い。細い尾根もあり、岩が多いせいか稜線を巻くことも多い。石楠花の藪が途切れるところも少なからずあって歩きやすい道もあるが、倒木がしばしば邪魔をするのは変わらない。先輩の助言やインターネットの情報ではそれほどの時間はかからないはずだが、足の疲労感は回復せず、思わず立ち止まることもあって、ここ何年も記憶のない久しぶりのバテを感じて、歩けども遅々として進まない。昼飯は藪が途切れた場所でコンビニのおにぎり1個、山に入るといつも小食になる。鶏冠山頂上で高度計を確かめたときに100m高くなっていることに気付き、修正したが、これがどうやら勘違いだったようだ。地図を見ても高度が合わない。首をひねるも、このままにしておく。進めども小さな登り下りが多いばかりで木賊山への登りにならず、高度はほぼ変わらない。西側に大きく巻き始めると、やっと登りに入ったことがわかったが、まだ200mの標高差が残っていそう。普通だと一気に行けるが、今はうんざりである。地図では木賊山頂上付近はなだらかになっているので、早くそのようになるのを念じながら我慢で歩くと、はっきりと山頂が近いことがわかってきて、ほっとする。甲武信小屋に着くと人がいた。それどころか、次々とグループが現れた。沢登りのグループが3組もいて、over 60に見える女性がいるのには敬服した。テントも4〜5張りはあり、小屋には20人くらいは泊ったようだ。こちらはベンチに陣取ってビールと日本酒で自分を癒す。小屋泊りは期待して夕食を頼んだが、普通のカレーライスだけで、ルーも少なく、素泊まりにしておけばよかったと悔やんだ。小屋で一番早く寝たと思う、熟睡できた。

駐車場付近から見える鶏冠山
かなりの存在感がある

二俣吊橋を渡ってすぐの入山警告立札
ここから東沢に入る。

鶏冠谷との出合
岩伝いに飛んで渡れなかった

稜線に上がる
道標や赤テープは多い

第一岩峰を迂回する道はルンゼを登るが
岩や倒木だらけだった

第一岩峰迂回終点の鞍部から
間違って西側の岩峰に登る

どう見ても岩肌から生える木を
手がかりにするしか登れそうもない

やっと登った岩峰からの景色は
良かった。しかし、...

鶏冠山頂上から見た間違えて登った岩峰
登った面以外は絶壁になっている

第二岩峰から下を覗く
写真では何ということもない

この時間までは快晴だった

山は同定できないが
国師山・金峰山方面

第二岩峰から第三岩峰鶏冠山

山頂が目の前に迫った

山頂・第三岩峰を右に下って迂回する

鶏冠山頂上

間違えて登った岩峰が見えた
恐ろしや

行く手の稜線に雲がかかり始めた
この先を暗示するようだ

振り返ると後がやっと見えた
まだそれほど進んでいないことがわかる

石楠花の藪は延々と続く

倒木が多く、体力を削ぐ

やっと木賊山に着き、ほっとする
甲武信小屋に付いた後は、写真を
撮ることも忘れて、ビールに酒!

9/6  4時に起きるはずが4時半まで目覚めなかった。8時間以上も寝たことになる。すぐに準備して出かけた。まだ真っ暗でヘッドライト点けて巻き道を歩く。どうやら足は、昨日の疲労を夜のうちに50%は回復させているようだ。15分ほどで見晴らしの良いサイノ河原に着く。夜がすっかり明けていた。笹平には立派な埼玉県の避難小屋がある。ここに泊るのもいいかと思う。西破風山に着く。ここら辺の道標には山梨県の破風山表記と埼玉県の破不山表記の両方がある。どちらも「はっぷさん」と発音するのだろうか?どちらかというと埼玉県の道標のほうが多い。雁坂嶺で初めて登山者に会う。雁坂峠で下から登ってきた人がいた。雁坂峠は古い街道だから、ここからの道はさぞかし立派な道だろうと思っていたら、さにあらず、意外と荒れた箇所もあった。ナメラ沢入口に着くと白いウエアーに統一したトレイルランの4〜5人のグループと10人ほどの高齢者グループが登るところだった。橋を渡ると雁坂峠に上ってきた人が追い越して走っていく。単独トレイルランの人だった。ここからずっと舗装道路で意外と時間がかかって、駐車場に到着。中央高速の渋滞に何とかはまることなく帰宅できた。


破風山

数少ない花、ヤハズヒゴタイ

花のあまりない季節は地衣類も美しい

西破風山

ミヤマホツツジ

東破風山

バイケイソウ
(ミヤマバイケイソウ)

奥秩父の典型的な山道だと思う

雁坂嶺

雁坂峠

ウメバチソウ

トリカブト