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 山日記 富士山 2002.8.31


富士山頂火口
越谷をam2:30頃出発。須走口新五合目駐車場に着いたら日の出の時間だった。第3駐車場に何台か空きがある程度でほぼ満杯、まだ道路脇に駐車している車はない。天気は上々なようだ。
 
五合目の売店と手前がトイレ。100円払って入ったらきれいだったが個室はひとつしかない。のんびりしていたので出発は5:30だった。
はじめは森の中を歩く。カニコウモリ、トモエシオガマ、ミヤマアキノキリンソウ、オオサワトリカブト、ヤマホタルブクロ(赤みがほとんどないのでシロバナヤマホタルブクロか?)などが迎えてくれる。
古御岳神社。登山道はここを右に行き、下山道は左から降りてくる。花の多い山道は気持ちが良いが、次第に体調があまりよくないと感じ出した。
森を抜けて富士山が初めて顔を出す。ここより六合くらいまで潅木帯を抜けたり入ったりが続く。オンタデ、フジイタドリ、メイゲツソウが砂礫に映えて富士山らしい。
潅木帯を抜けると気持ちがいい。快晴だが標高が高いせいか暑さはあまり強く感じない。山頂は意外と近く見えるが歩いている人が米粒ほどにも見えないので、まだ遙に遠い。
写真ではあまり変わっているように見えないが、下山道の砂走りがはっきり見えるようになった。着実に登っていることが目でわかるのはいいが、調子がよくない時には、なかなか近づかない山頂が恨めしい。
いままで山中湖や忍野にかかっていたガスがだんだん取れてきて、丹沢山塊全体が一望に見える。山頂にはいっぺんの雲もなく今日は絶好の天気のようだ。
六合目を過ぎて。行く手に白い柱が見える、あれが七合目。だんだん足が重くなってくる。体調はやはり良くなさそうだ。高山病かとも思い始めた。睡眠不足なのは確かだし。
          
男体山などの栃木の山から福島の山々、すぐそばに見える愛鷹連山。右側の山々は同定できなかった。



七合目には3匹の白い犬がいた。小屋に入っているのが母親だろうか。それにしても山頂はまだ遠い。小屋の前にはたくさんの人が休んでいた。下山して来る人もいる。この頃より休む時間が長くなる。おまけに眠気が襲ってくる。バテの兆候だが、もしかしたら高山病にかかったのだろうか。
  本七合目にやっと着く。登山者が下からどんどん登ってくる。だんだん増えてきているようだ。私が追い越すより追い越されるほうがはるかに多い。それもそのはず、ちょっと驚いたことに若い人がとても多い。歩き方や靴からすると山登りの初心者が多そうだ。普通の山では考えられないことだが、夏休みの最後の日だし、富士山ともなるとさすがである。ここでビデオカメラが結露のせいで(?)動かなくなった。ひょっとして気圧のせいじゃないだろうか?
八合目が遠い。足はますます重く、呼吸が浅くなっているような気がして、腹式呼吸で思い切り息を吸い込むよう心がけるが、思うように体調が戻らない。今回はアミノ酸剤を用意して六合目で服したが効果は現れない。
下山の方向を案内している八合目の分岐点。駐車場で出掛けにおにぎりとウイダーを腹に入れ、途中でまたおにぎりを1個、ここでもまた1個食べる。それでも調子は戻らず。太陽は容赦なく照り付けるが標高は3300mを越えて暑くはない。Tシャツだけで歩いているのは私くらいで殆どの人が長袖だ。それに六合目あたりから汗を殆どかいていない。風が強くなってきているとはいえ大汗かきの私にとってはとても珍しいことだ。若い人はさすがに歩く速さが早くてどんどん追い越して行くが、休憩が多く、歩いても立ち止まる回数が多いので結局私と同じくらいのスピードになる。
八合目を過ぎるといよいよバテている自分を意識せずに居られなくなる。それに頭が少し痛くなってきた。見えるのは九合目の鳥居だろうか、そのはるか上に頂上の鳥居も見えてきた。歩く速さがますます遅くなって、まるで20Kgくらい背負っているような具合だ。ジグザグ道を南に向かって歩いている時は風がひどく強くて閉口する。まわりの特に若い登山者(初心者が多そう)はよく立ち止まったり休むので、追い越し追い越されて、どこまでいっても同じ顔がまわりにいる。私はのろくても決して立ち止まらないようにがんばって歩く。
   やっと頂上直下の鳥居に辿り着く。これは下から見ると、とてもわかりやすい目標物になっていると思う。
12:10 これが吉田口の頂上だ。浅間大社が証明しているので無理やり納得。
頂上小屋付近はは人であふれていた。ラーメンもビールもあって小屋の中は盛況である。店の若い兄ちゃんたちが営業にがんばっている。しばらく迷ったがうまそうなのでビールを買って飲んだ。350ml缶で600円。あとでやはり後悔した。高山病の症状で炭酸飲料を飲むのはよくないということは知っていた。二日酔いで目覚めた時に喉の渇きに勢いで飲んだような時のようで、うまくないどころか、ますます頭が痛くなってきた。それにしても富士山は若い人や初心者ぽい人も多いが外人が多いのにもびっくり。やはり富士山の知名度は国内外共にダントツなのだ。
最高峰、剣が峰をバックに。95個目の百名山だ。かなりバテてしまって御鉢周りで剣が峰に登るのは諦めた。
下山開始。頂上小屋が要塞のようだ。
下山道から見た登山道。雲がここまで上がって来た。デジカメの電池が尽きてこれが最後の画像になった。もっとも、このあと駐車場に着くまでの苦闘からすると撮る元気があったかどうか怪しい。砂走りは確かに降りやすい。しかし、たった350ml1缶のビールを飲んで頭痛が増してきたのと、バテきった足腰には苦痛であった。本来の私なら小走りで走り降るところだ(ちょっと言い過ぎ)。体格のいい若い白人が飛ぶように走り降りて行く。こちらはその後の長い砂走りがやっと終わる少し前から足首もおかしくなって、よたよたで砂払い5合の休憩所に入った。駐車場まであと30分という殺し文句に誘われコーラを飲んで大休憩である。しかしこの休憩でますます右足がいうことをきかなくなり、先行する4人のちびっこがいる家族に着いていくのがやっとの体たらくであった。
 16:00 店の人がいう通りきっかり30分で駐車場に到着する。この時間に高速道へ入って東京へ向かっても大渋滞だろうし、砂払い5合の店の人が行っていた温泉にでもつかってと思い「天恵」という立ち寄り湯へ行く。さすがに混んでいたが、黒いシルエットの富士を見ながら温泉につかって生ビールとあなご丼でリラックスし、仮眠する良い部屋があったので3時間ほど寝る。8時半にそこを出発したがまだ大月から15Kmの渋滞だったので、河口湖線の谷村SAで一休み。9時半に諦めて再出発したがまだ上野原から小仏までのろのろだった。結局自宅へ着いたのが11:30だった。ハードな1日であった。

フジアザミ
駐車場で

フジアザミ
六合目付近で

オンタデ

ムラサキモメンヅル
ムラサキモメンヅル

トモエシオガマ

トモエシオガマ

フジイタドリ

フジイタドリ
オンタデ

アキノキリンソウ
オオサワトリカブト

ヤハズヒゴタイ

ヤマホタルブクロ

ヤマホタルブクロ

メイゲツソウ

ミヤマオトコヨモギ


ミヤマコゴメグサ


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