山日記
   
7/25(日) 姫神山  

何度か盛岡あたりを通る度に、その秀麗な山容に目を奪われていた。女体が寝そべっているように魅惑的な、ひっそりと懐かしくも感じるこの山が気になっていて、姫神山という名前もふさわしく、さぞかし先人を魅了してきたことだろうとも思っていた。
前日に生まれ故郷の函館で父親の一周忌を済ませ、早朝のフェリーで青森に着いてそのままこの山に向かった。西根ICで東北道を降りて東進する。遠くからちらちらと見えていたが、車で進む程に目指す山は小さくなり、昼前に「一本杉登山口」の駐車場に着くと、もう裏山という感じに近くなった。空にはいまにも降り出しそうなほど低く広がった雲が垂れ込めて暗い。最初の駐車場のすぐ上にも大きな駐車場があって立派な案内板が立てられている。自然公園というような市民の憩の場的な雰囲気である。少し歩くと老若男女の集団が下山してきた。若いカップルや親子連れもいて、良いハイキングコースになっているようだ。暗い森の中を少し進むと急登になる。追いついた二人連れの若い女性の太ったほうの一人が急登で喘いでいる。この様子では頂上まで行けないかもしれない。その急登も少し汗をかくと終わり、そこが五合目だった。そこで右に折れ、八合目の道標で左に直登を始めてしばらくすると視界が開けた。意外に大きな岩がゴロゴロしている。すぐに山頂に着いた。歩き始めて1時間20分程かかった。やはり周りの山は雲に覆われている。
山頂は一等三角点があり見晴らしもいいが、大きく見えるであろう岩手山も翌日に登ろうと思っている早池峰山も残念ながら姿を現わしそうにない。三角点のすぐそばに色とりどりにペイントした石がたくさん置いてある。登山の記念だろうが、これは山を汚しているのか許容されるべきなのか意見が分かれるところだろう。
下りは少し急いだので喉が渇き、登山口に近い「一本杉清水」で冷たい水をしこたま飲んでからそばの立て札を見たら「この水は飲用に適してません」と書いてあった。ちょっとびっくりしたが、その後体調には何の変化も無かったので、以前誰かがここの水を飲みすぎておなかをこわしたかなんかで役場にクレームでもつけたのだろう。
この日は翌日の早池峰山のために、東北道を滝沢ICから紫波ICまで使い、折壁峠越えで「岳」まで車を急がせた。「岳」にある笠詰キャンプ場は広々としていてのんびりできそうだったが駐車場が見当たらなかったので上流の河原坊まで行く。岳からマイカー通行規制があったが日曜の夕方5時以降の平日は解除されるので助かった。河原坊キャンプ場は駐車場のそばの暗い林の中で、斜面に作られているので上等とはいえないが、たいした苦労もなくテントとタープを張り終え、ゆっくり寛ぐことができた。
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